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2022.10.03
「第3回アンチエイジング&スーパーフードシンポジウム」開催
2022年9月9日(金)に、第3回アンチエイジング&スーパーフードシンポジウムを開催しました。

新型コロナ感染症の蔓延により2020年3月から延期して以来2年半ぶり、対面とオンラインのハイブリッド形式での開催となりましたが、多くの方にご参加いただき、盛会となりました。

会場参加者は、参加制限を設けましたが、46名、オンライン参加は108名でした。また、会終了後、交流会を開催致しました。

ご参加・ご視聴いただきました皆様、誠にありがとうございました。
また、ご講演頂いた先生方、開催協力下さった関係者に御礼申し上げます。事務局として開催通知が遅れましたこと恐縮に存じます。
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【開催日時】2022年(令和4年) 9月9日 (金)
13:30〜17:00 (受付 13:00)
(17:30より、大起水産さんご協力により、お寿司を頂きながらの交流会開催)
【場所】 大阪富国生命ビル4F テラプロジェクト・まちラボ A会議室
(大阪府大阪市北区小松原町2番4号)
【主催】 一般社団法人国際スーパーフード・アンチエイジング学術機構
【共催】 近畿大学アンチエイジングセンター・近畿大学ACT「植・食、健康」産業支援プロジェクト・一般社団法人テラプロジェクト
【後援】 みどりのイノベーション推進会議・智の木協会・一般社団法人まちラボ産学技術ユニオン
【協賛】 旭松食品株式会社・一般財団法人日本食品分析センター・株式会社ファイン・株式会社フローレンス(50音順)
【協力】 NPO法人近畿バイオインダストリー振興会議・大阪科学技術センター・小林製薬株式会社・株式会社ナールスコーポレーション 

【開催趣旨】 
本シンポジウムは、超高齢化社会において健康長寿を目指すため、食の機能性とアンチエイジングについて学術的な知見と企業の取り組みを紹介するシンポジウムとして開催されました。今回のテーマは、コロナ時代と称されるこの時代に注目されている食の機能性と免疫との関わり、及びアフターコロナ時代に関心の高まっている美容とスキンケア。
本シンポジウムは、「アンチエイジング&スーパーフードシンポジウム」として2017年と2018年に開催しましたシンポジウムの第3回目となります。
2020年3月に開催予定でしたが直前に急速な新型コロナ感染症拡大により延期となり、今回約2年半ぶりにプログラムを組み直して開催の運びとなり、当該法人名にアンチエイジング関連研究を加え、一社、国際スーパーフード・アンチエイジング学術機構として初の開催となりました。
基調講演は、当法人の理事長、山口明人先生(大阪大学名誉教授)に、新型コロナ感染蔓延の現状について解説いただいてから、免疫と食の関係についてご講演していただきました。
講演内容は、食の機能性について研究開発を行なっている企業の取り組みと肌の健康とエイジングケア成分についてであり、最近の取り組みについて詳細に紹介いただきました。最後に近畿大学アンチエイジングセンターにおける健康かつ長寿を目指す実学研究事例の発表があり、産学連携によるものつくりの実践を紹介いただきました。

【プログラム】 (敬称略) -------------------------------------------●開会挨拶
小林 昭雄 (一般社団法人国際スーパーフード・アンチエイジング学術機構 機構長 / 一般社団法人テラプロジェクト 理事長 / 大阪大学名誉教授・招聘教授)

●基調講演 「スーパーフードで免疫力強化」
山口 明人 (一般社団法人国際スーパーフード・アンチエイジング学術機構 理事長 / 大阪大学名誉教授・招聘  教授)

●講演の部
趣旨説明・司会
木村 泰裕 (一般社団法人国際スーパーフード・アンチエイジング学術機構 事務局長 / 一般社団法人テラプロジェクト 研究室長 / 一般社団法人まちラボ産学技術ユニオン 研究ディレクター)

「機能性表示食品制度における機能性関与成分の分析について」 
水越 一史 (一般財団法人日本食品分析センター 彩都研究所 試験研究部 部長)

「スーパーフード:新あさひ豆腐の腸内作用と免疫賦活効果」 
石黒 貴寛 (旭松食品株式会社 研究開発統括部 副主任研究員)

「代謝を高めて腸内環境を整える杜仲茶の効果」
平田 哲也 (小林製薬株式会社 中央研究所研究開発部・担当課長 / 日本杜仲研究会事務局)

「肌の健康と美容から考えるアンチエイジング −高齢者の生活意識に基づく化粧の意義−」
吉井 隆 (近畿大学薬学部 外部講師 / 元P&G SKII技術顧問)

「エイジングケア化粧品原料ナールスゲンについて 〜皮膚の健康を通じて健康長寿社会をめざしたい〜」
川崎 元士 (株式会社ナールスコーポレーション 代表取締役)

「健康かつ長寿を目指す  〜近畿大学アンチエイジングセンターの取り組み紹介〜」
森川 敏生 (近畿大学 アンチエイジングセンター 副センター長 ・ 薬学総合研究所 教授)

●閉会挨拶  
村岡 修 (近畿大学 名誉教授 / 一般社団法人国際スーパーフード・アンチエイジング学術機構 副理事長)

●交流会
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【実施概要】 
本シンポジウムは、基調講演1題と、企業・大学の産学連携の取組みと研究開発の発表6題の構成で行われました。
開会に際して、冒頭、主催者である(社)国際スーパーフード・アンチエイジング学術機構 機構長の小林昭雄先生((社)テラプロジェクト理事長 / 大阪大学名誉教授・招聘教授)から、現代における食と健康についての基本的な考え方についての解説があり、古代ギリシャの医者ヒポクラテスが提唱した医食同源の考えが現代にも通じ、一生、10万食の内容を吟味することが健康長寿・アンチエイジングを考える上で重要であること強調されました。
基調講演は、(社)国際スーパーフード・アンチエイジング学術機構 理事長の山口明人先生(大阪大学名誉教授・招聘教授)による「スーパーフードで免疫力強化」でした。まずは、現在のコロナの現状を振り返られ、集団免疫獲得の失敗が現在の第7波の主因であるとの見方と、今後のワクチン・治療薬の見通しについて説明されました。その上で免疫力向上に関わる食として、腸管免疫を整えるためのヤーコンや高野豆腐などの食品、あるいは抗酸化作用をもつカカオなど、具体的な食材の解説も交えて説明されました。

講演の部では、まずは(社)国際スーパーフード・アンチエイジング学術機構 事務局長の木村泰裕先生((社)テラプロジェクト研究室長)からシンポジウムのテーマと各講演について、趣旨説明と概説があり、その後6人の演者のご講演がありました。

(財)日本食品分析センター 彩都研究所試験研究部 部長の水越一史先生からは、「機能性表示食品制度における機能性関与成分の分析について」と題して、2015年に制度がスタートして以来、届け出の増え続ける機能性表示食品の解説があり、特に抗酸化作用のあるGABAや免疫に関与する腸内細菌についての申請が増えている現状の紹介がありました。

旭松食品(株) 研究開発統括部 副主任研究員の石黒貴寛先生からは、「スーパーフード:新あさひ豆腐の腸内作用と免疫賦活効果」と題して、日本古来の加工食品である凍り豆腐(高野豆腐)の機能性について、研究が深まりその機能性が徐々に解明されてきている現状が紹介され、最新の研究で、凍り豆腐とそれに含まれるレジスタントプロテインが免疫を活性化する作用をもつことが初めて見出されたとの紹介がありました。

小林製薬(株) 中央研究所研究開発部 担当課長の平田哲也先生は、「代謝を高めて腸内環境を整える杜仲茶の効果」というタイトルで発表されました。まずは商品開発についてのこだわり、特に新市場へ商品投入してその新しいジャンルを開拓していく戦略ついて紹介があり、その上で、杜仲茶の成分を長年研究してきた結果、血管のしなやかさを高めることで血管年齢を若返らせる効果が明らかになってきたとの報告がありました。
 
近畿大学薬学部 外部講師で元P&G SKII技術顧問の吉井隆先生は、「肌の健康と美容から考えるアンチエイジング −高齢者の生活意識に基づく化粧の意義−」について講演されました。肌の若さは遺伝によるのかそれとも環境の影響が大きいのかについて学術的な研究をもとに考察され、環境で変えられる部分が大きいことが分かってきていることを解説されました。さらに化粧をすることで高齢者の心の若返りにつながることが明らかとなり、化粧の重要性を強調されました。

(株)ナールスコーポレーション 代表取締役の川崎元士先生は、「エイジングケア化粧品原料ナールスゲンについて〜皮膚の健康を通じて健康長寿社会をめざしたい〜」 のタイトルで、産学連携で開発された化粧品原料ナールスゲンについて解説されました。他の化粧品成分とは異なり、皮膚のコラーゲン、ヒアルロン酸などの成分を細胞が自ら産生できるようにする作用を解明し、様々な皮膚のトラブル、およびそれに起因する現象が根本から改善されるとの研究例紹介がありました。

近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長の森川敏生先生(近畿大学薬学総合研究所 教授)には、「健康かつ長寿を目指す 〜近畿大学アンチエイジングセンターの取り組み紹介〜」に関して説明していただきました。2025年に100周年を迎える近畿大学では、2007年にアンチエイジングセンターを開設して以来、日本でのアンチエイジング研究を牽引してきており、サラシアなど機能性をもつ成分の解明と商品化の取り組み、また(社)テラプロジェクトとの連携による学部横断的な商品作りと社会貢献について発表していただきました。
閉会挨拶は、(社)国際スーパーフード・アンチエイジング学術機構 副理事長の村岡修先生(近畿大学名誉教授)から、本日あったさまざまな研究開発の発表について、このように機能性が解明され商品になるのは簡単なことではなく、研究者、そして企業の並々ならぬ努力の成果であるとの苦労談をされました。そして、本日発表のあったようなエビデンスに基づく食品・化粧品活用の重要性を強調されました。今後も皆様からの意見を糧に新たな活動を発展していきたい旨の挨拶で締めくくられました。

今回、「近畿大学ACT「植・食、健康」産業支援プロジェクト」の学生ボランティアとして参加した学生 2名により、(社)テラプロジェクト・近畿大学・(株)フローレンスの共同開発社会貢献商品「からだにやさしいスイーツ GOJIAI」についての説明を、参加者に向けて発表していただきました。
またスーパーフード認証企業等から本シンポジウムに協賛いただいている旨の案内がありました。
 
引き続き行われた交流会では、(社)国際スーパーフード・アンチエイジング学術機構 副理事長の中井久美子先生と、(社)兵庫総合研究所政策顧問の中川暢三先生からご挨拶をいただき、今後のプロジェクト展開も含めて活発な意見交換が行われました。

新型コロナ感染症の蔓延によりシンポジウムを延期して以来2年半ぶり、前回開催した第2回シンポジウムからは3年10ヶ月ぶりの開催となりましたが、対面・オンラインで多くの方にご参加いただき、盛会となりました。ご講演いただきました先生方、ご協賛いただきました企業団体の皆様、会場・オンラインそれぞれご参加いただいた皆様、そして開催に際しまして様々な形でご支援いただきました関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。
今後、皆様からいただいたご意見を参考にさせていただき、食と健康分野における情報発信と、産官学民連携の更なる発展につなげたいと考えております。
 

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